維持療法(APL M3)~ベサノイドATRA~
携帯電話が鳴った。 Dr.からだった。 「大丈夫?大変だったね」 「落ち込んでいるんじゃないかと思って…」 Dr.の優しい声を聞いて安心した。 泣きたくなるほど嬉しかった。 「来週外来に来れる?」 「維持療法した方がいいから」 「じゃあ、待ってます」 すごいタイミングで、Dr.から電話がきてびっくりした。 天からの救いのように思えた。 生きる希望がなかったけど、いつも私のことを心配して支えてくれるDr.がいる。 維持療法は辛いけど、Dr.がいるから頑張ろうと思った。 今の自分には、Dr.の存在が生きる支えで希望だった。 卵巣嚢腫の手術後、初めて外来に行った。 Dr.はいつもと変わらず優しく笑顔で迎えてくれた。 Dr.の顔を見て安心した。 維持療法 ・MTX(メトトレキサート)注射、週1 ・6-MP(ロイケリン)飲み薬 ・ATRA(ベサノイド)飲み薬 3か月に1回2週間服用を2年間 維持療法は当初3種類だったけど、MTX、6-MPの抗がん剤の副作用(吐き気 倦怠感)がきつく、飲めなくなって、半年間でMTXの注射と6-MPの飲み薬は終わった。 マルクでも異常はなく、それ以降はベサノイドのみの維持療法となり、ベサノイドは3か月に1回2週間を、2年間続けることになった。 退院後のマルクは腸骨からにしてもらった。 ベサノイドは、2週間続けて飲めばしばらく休めるので、副作用が出ながらもなんとか飲めた。 ベサノイドはM3の特効薬で、まだ情報も少なくて副作用などすごく不安もあった。 頭痛、吐き気、めまい、口腔内などの乾燥。 目の調子が悪くなったり、思いがけない副作用などが出たりして、Dr.とも電話やメールなどよく連絡をしていた。 通院している間に少しずつ体力も回復してきた。 けど疲れやすく無理がきかなくて、風邪など引くとなかなか治りづらかった。 しんどくなる度に、再発の恐怖に襲われて、精神的にはまだ不安定だった。 友人に会ったり、自然の中に出掛けることで、気分転換ができて、すごく癒された。 ある日、病院からの帰りにタクシーに乗ると、運転手さんになぜか芸能人に間違われた。 ウィッグ、帽子、マスクをしていると、全然病人とはわからないん