自然界の癒し



ある日、雨上りの公園に犬の散歩に行ってみると、誰もいない公園が静寂な空気に包まれていました。

公園の芝生や草木に雨粒が残っていて、射してきた太陽の光に照らされて、草木や花についた雨粒が、光に反射して、あたり一面が、キラキラとした世界に見えました。


草木が雨に濡れて潤って、生い茂る匂いがして、草木が喜んで、マイナスイオンを沢山出してくれていました。

いつも行く公園が、全く別の光景を見せてくれて、すごく得した気持ちになりました。


白血病を患ってから、自然界の素晴らしさ、エネルギーの恩恵を、敏感に感じるようになりました。


病気になる以前は、道端に咲いている花に気を留めたり、空を見上げたり、自然の美しさに、ありがたみを感じることもなく、日々の生活を忙しく送っていました。


自然に対して、当たり前すぎて、何も感じなかったけど、ずっと病院の中のクリーンルーム(無菌室)という、閉鎖された空間の中にいて、外の自然がとても気になっていました。


窓も開けられない、締め切った、空気清浄機の音しか聞こえない、エアコンで常に一定の室温に管理された部屋で、長い間過ごしていると、外の空気がとても恋しくなりました。

今日は暑いのか寒いのか、看護師さんによく聞いて、外の世界に生きる人たちがすごく羨ましく思っていました。


クリーンルームで過ごした経験が、私の五感、六感を研ぎ澄ませたように思います。

クリーンルームにいる期間は、人と交流できる時間もほんのわずかで、一日のほとんどの時間を、ずっと人工的に管理されている、閉鎖された空間に一人でいるので、人のエネルギーに対しても、ごく敏感に感じ取るようになりました。

ドクターやナースの人たちが部屋に入ってくると、オーラのような、色のついたエネルギー体が見えたりしました。

そのエネルギーが部屋を出て行った後も、残り香のように、しばらく残っていました。


元気なエネルギーの人が来てくれると、自分もそのエネルギーの影響を受けて元気になれるし、逆に、疲れていたり、忙しくてイライラしたり、マイナスなエネルギーの人が入ってくると、自分もその影響を受けて、落ちてしまったりしていました。

だから、癒し系の人や、元気な人が入って来てくれると嬉しかったです。


外泊の許可が出て、1か月ぶりにクリーンルームから出て、外に出られた時のことは忘れられません。

病院の玄関の自動ドアが開いた瞬間、外の新鮮な空気に触れてすごく感動しました。


風が頬にあたる感触、空気の匂い、ネオンの光、街ゆく人たちの生き生きした楽しそうな姿も、すごく新鮮に感じて、五感で感じる自然界の素晴らしさ、美しさに感動して、自然と涙が出てきました。


退院直後、桜の木の下を通っていると、突然、強い風が吹いてきました。

桜の花びらが舞って、桜吹雪の中に一人いて、何か自然界から祝福されているような、そんな気持ちになりました。

美しい桜を見られて、生きてまたこっちの世界に戻ってこれたこと、こんな素晴らしい景色に出会えたことに感動して、一人泣いていました。


夢の中で、自分が肉体を持たない、自然霊のような存在で、自分が念力のような力で意図して、風を吹かせたりしているのを見たことがあります。


それ以来、そういった自然界の現象にも、何らかの存在、地球や自然霊、大いなるものからのメッセージのような気がして、自然と触れ合うと、いろんなインスピレーションが湧いてきます。

励まされたり、癒されたり、いろんなメッセージを受け取れるようになりました。


空を見ていると、絶えず変化して、地球が生きているのを実感します。

空のずっと先、向こう側の世界と繋がっていて、沢山の存在が見守ってくれているように思えます。


美しい景色、心地よい鳥のさえずり、木がそよぐ音。

植物の匂い、風があたる心地よさ、植物や動物に触れる心地よい感触。

特別なことをしなくても、毎日当たり前のように過ごしている生活の中に、自然界からの沢山の恵みが、無償で絶え間なく、私たちに必要なものすべてを与え続けてくれていること。


病気になって辛いとき、いつも自然がそばに寄り添って癒してくれました。

100%天然の自然界のエネルギーは、とてもパワフルで、純粋で、優しくて、沢山の気づきをもたらしてくれて、どんなヒーリングもかなわないくらい、すごい力があると思います。


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