白血病予兆~不安な日々~



口内炎が治らない……

2003年10月、資格取得のために、仕事の休みの日にはスクールに通う日々。

疲れを感じるようになり、口内炎が複数でき拡大していた。


いつもなら自然と治るのに、全く治らず痛くて食事がとれない。

ドラッグストアで、塗り薬、貼り薬、ビタミン剤を購入した。

何か、いつもと違うと感じていた。


2003年11月、資格試験の日がせまり、模試や直前ゼミで忙しくなっていた。

疲労感、緊張感、胸がドキドキする、眠れない。

試験前のプレッシャーや忙しさで、疲れが溜まっているのかなと思っていた。


そんなある日の朝、起床すると、生理の出血が多量になって、シーツが血の海になっていた。

今まで経験したことのない多さに驚いた。

一時間ごとに、トイレに行かないといけない位だった。


毎日しんどくて、職場に着くと息切れがした。

「顔色悪いよ」
同僚から言われた。


試験勉強の疲れから、風邪か貧血だろうと思った。

仕事関係の苦手な分野の資格。

とにかく試験が終わるまではなんとか頑張って、終わってから病院に行こう。


試験当日、フラフラになりながらもなんとか受験できた。

ようやく解放される。
終わってホッとした。

鏡に映った自分の顔色は、真っ青になっていた。


頭痛、微熱、動悸、息切れ、吐き気、全身倦怠感。

心臓の鼓動が聞こえてくる。

帰宅するとそのまま座り込んで立てない。


頭痛薬を飲んだり、仕事を休んで休養を摂っても、全く良くならず、日増しにひどくなっていった。


近くのクリニックを受診し、血液検査をした。

「結果は来週に出るので、また来週に来てください」
そう言われ帰宅した。


次の日仕事に行くも、体調が悪く早退した。

家で寝ていると、昨日受診したクリニックから、電話がかかってきた。

「先生からお話があるので、今日中に来てください」


一体何の話だろうとクリニックに行き、診察室に呼ばれると、先生が神妙な顔をしていた。


「重度の貧血の数値」

「白血球、ヘモグロビン、その他の数値も、正常値よりかなり低くてびっくりした」

「総合病院に紹介状を書くので明日必ず行くように」

「検査入院になると思う」


そう言われて、明日の土曜日は大学病院が休みだからと、総合病院への紹介状を書いてもらい帰宅した。


WBC  900
Hb       6.0
PLT  2.9


インターネットで自分の症状を検索すると、たまたまクリックしたサイトには、『白血病』の文字。


家には妹が読んでいた、ベストセラー本『世界の中心で、愛をさけぶ』。


まさか自分はそんな重病ではないはず。

きっと貧血がひどくなっただけ。

明日は友人の結婚パーティの日なのに……


不安に思いながらも、大したことはないはずと、自分に言い聞かせた。


翌朝目覚めると、いつものように母親が妹に、私の悪口を言っている声が聞こえてきた。


……また言ってる、憂鬱な朝だ。


病院へ行く身支度をし、絶対に大したことはないと信じつつ、紹介状と携帯の充電器を鞄に入れた。


出かけようとすると、母親がまたヒステリックに声をかけてきたので、さっさと出ようと玄関に向かった。


「今から病院に行くから」と言うと
「また行くの!? あんた病院好きやなあ!」
と、鬼のような形相で心ない言葉を投げつけられた。


病院なんて行きたくて行く訳じゃない。

悔しさと哀しさを感じながら、一人病院へと向かった。


自転車を漕いでいると、いつもよりペダルが重くて、漕いでも漕いでも全然進まない。


すぐに息切れがして休憩し、普通の何倍も遠くに感じた。


あれ? おかしいな。。
こんなにすぐに息が苦しくなって、やっぱり何かの病気なのかな……


不安に思いつつ、遥か遠くに感じた総合病院に、フラフラになりながら、なんとかたどり着いた。


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